【映画学】ピクサーに学ぶ技術の本質
とあるピクサーのエピソード
各国で称賛され、世界で認められる作品となった、世界初の長編3Dアニメーションであるトイストーリーだが、実は公開時の記事のほとんどはコンピューターで作られたことにはついで程度に触れられただけであった。
これに対して社長のエドキャットムルは技術よりもいい映画を作るという本来の目的が認められたのだと逆に凄く喜んだそうだ。
先日Pixarの方の話を聞く機会があったのですが、彼らはより良いものを作るという価値観を持っていました。
実際良いものと利益になるものは違う。会社だから利益を上げなければいけない。だから通常広く売れる作品を目指して作るのですが、ピクサーは純粋に良いものの提供することによって世間に価値を示そうとする社風だそうです。
大事なのはいい映画を作るということ。
ではこのいい映画とは何でしょうか。それについては後のスピーチでも語られています。
映画とはストーリーそのものなのだ
映画制作でよく用いられる言葉に「ストーリーこそが最も重要である」というものがあり、業界では深く信じられています。
ストーリーが最も重要なのは事実ですがピクサーが発足した当初に、初作品で他に差をつけることができたのは、我々が単にストーリーのみを重んじただけではなく、ストーリーをサポートするための、ありとあらゆる努力をしたからです。テクノロジーやアートが、全力でストーリーをサポートしました。
EG Conferenceより抜粋
つまりこれらのことから分かるのは、映画というのはストーリーそのものであり、それを支える技術力も同時に同じくらい必要なのです。
しかし、勘違いしてはいけないのが技術の巧みさなどのありとあらゆる努力はストーリーを支えるため必要なものであってそれ自体が=面白さになるではありません。
技術の本質とは、シナリオの良さを引き立てるかシナリオに違和感なく没頭させることで、派手な技術力は視聴者にとって一番重要なことではありません。
クリエイター目線で仕事をしていると忘れがちですが、一般の視聴者からはどんなにすごいモデルやエフェクトを作っても、よく分からなかったという反応を貰うことが多いです。
自戒を込めて言うと、作り手は常に大衆の目線になって物作りをしていかないといけません。テストで見せるなら実際に見てほしい層と同じコミュニティの人たちに見てもらうことが必要かもしれません。
映像を作るなら見る人を楽しませられるものにしなくてはいけないですね。
参考
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